伊坂幸太郎さん「ガソリン生活」 [本☆☆]
まさかの「車」が主人公の小説です。
おかしさ満載です。
実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している。本作語り手デミオの持ち主・望月家は、母兄姉弟の四人家族(ただし一番大人なのは弟)。兄・良夫がある女性を愛車デミオに乗せた日から物語は始まる。強面の芸能記者。不倫の噂。脅迫と、いじめの影―?大小の謎に、仲良し望月ファミリーは巻き込まれて、さあ大変。凸凹コンビの望月兄弟が巻き込まれたのは元女優とパパラッチの追走事故でした―。謎がひしめく会心の長編ミステリーにして幸福感の結晶たる、チャーミングな家族小説。
(「BOOK」データベースより)
ストーリイそのものはありきたりですが、車同士が話している世界というのが面白いです。
車種によってキャラが違うというのも納得感があって楽しめます。
車輪の数が多いほど知性が高いと車たちは考えていて、電車に畏敬の念を覚えているとか、自転車とはそもそもコミュニケーションがとれないという設定も面白かったです。
また、人間の会話はわかるんですが、車から話しかけたり意思表示ができないという制約がもどかしいです。ワイパーで否定とかしてほしい。
ミステリよりも設定で楽しんでしまいました。
文庫版カバー裏に掌編「ガソリンスタンド」が! なんかお得感があります。
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