瀬尾まいこさん「春、戻る」 [本☆☆]
ちょっと突飛な設定で、心温まる、瀬尾さんらしい安心の作品です。
結婚を控えたさくらの前に、兄を名乗る青年が突然現れた。どう見ても一回りは年下の彼は、さくらのことをよく知っている。どこか憎めない空気を持つその“おにいさん”は、結婚相手が実家で営む和菓子屋にも顔を出し、知らず知らずのうち生活に溶け込んでいく。彼は何者で目的は何なのか。何気ない日常の中からある記憶が呼び起こされて―。今を精一杯生きる全ての人に贈るハートフルストーリー。
(「BOOK」データベースより)
自らを兄と名乗る、さくらより一回り若い男性が何者かをいろいろと想像しながら読みました。
正体は想像とは違ったものでしたが、さくらの過去が少しずつ明らかになっていくにつれて、「兄」の心遣いや結婚相手の優しさに読み手の気持ちもほっこりしました。
つらい気持ちを乗り越えることだけが解決ではないと思いますが、さくらが前向きになれた結末はよかったと思える読後感でした。
コメント 0