碧野圭さん「菜の花食堂のささやかな事件簿」 [本☆☆]
料理や食材を絡めてささいな謎を解く「日常の謎」系ミステリです。
「はちみつはささやく」「茄子は覚えている」「ケーキに罪はない」「小豆は知っている」「ゴボウは主張する」「チョコレートの願い」の6編が収録されています。
「自分が食べるためにこそ、おいしいものを作らなきゃ」菜の花食堂の料理教室は今日も大盛況。オーナーの靖子先生が優希たちに教えてくれるのは、美味しい料理のレシピだけじゃなく、ささやかな謎の答えと傷ついた体と心の癒し方…?イケメンの彼が料理上手の恋人に突然別れを告げたのはなぜ?美味しいはずのケーキが捨てられた理由は?小さな料理教室を舞台に『書店ガール』の著者がやさしく描き出す、あたたかくて美味しい極上のミステリー!書き下ろし。
(「BOOK」データベースより)
江戸東京野菜を中心にした庶民的なレストランのオーナーシェフの下河辺靖子先生が月一で開催する料理教室が舞台です。
料理教室の生徒(といっても老若男女ですが)の抱える問題を靖子先生が毎回推理・解決します。
最後には靖子先生自身の過去が明らかに…という筋立てです。
グルメと日常の謎系ミステリを組み合わせた連作短編ものも飽和感がありますね。
作者は江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持っているそうで、作品に登場する野菜を中心にした料理はなるほどと思うものの、それほど魅力的に思えませんでした。なぜだろう。
謎解きはライトな感じはありつつも、それぞれの相談者の抱えた悩みを見抜いたうえで解決する靖子先生がいいですね。
ワトソン役の優希は20代の派遣社員で過去に傷を負ったという経緯が現代らしいです。
続編も楽しみです。
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