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北森鴻さん「瑠璃の契り」 [本☆☆]


瑠璃の契り―旗師・冬狐堂 (文春文庫)

瑠璃の契り―旗師・冬狐堂 (文春文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/01/10
  • メディア: 文庫



骨董業界を舞台にした旗師・冬狐堂シリーズ第2弾です。
ヒリヒリした緊張感は今作も。

「倣雛心中」「苦い狐」「瑠璃の契り」「黒髪のクピド」の4編が収録されています。

魑魅魍魎が住まう骨董業界を生き抜く孤高の美人旗師・冬狐堂こと宇佐見陶子。目利きの命である眼を患った彼女を食い物にしようと、同業者がわけありの品を持ち込む。それは、不思議と何度も返品されてくる和人形だった——「倣雛心中(ならいびなしんじゅう)。他、表題作を含め全四篇を収録した古美術ミステリーの人気シリーズ第二弾。
(出版社HPより)

真贋を見抜く大事な商売道具の眼に病を得てしまう陶子を試そうとしたり罠にかけようとする骨董業界って、魑魅魍魎の巣窟ですね。怖い怖い。

古美術にまつわるミステリに、陶子や相棒のフリーカメラマンの横尾硝子の過去が絡んで複層的な物語になっています。読み応えがあります。
権謀術数渦巻く、裏切り、先駆けといった人間の醜い面ばかり見えてきますが、陶子の潔さや横尾硝子や雅蘭堂の手助けに救われる思いがします。

それにしても陶子のハードボイルドな生き方はカッコイイと思っちゃいます。自分は決してできないとわかっているから猶更。

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