有川浩さん「旅猫リポート」 [本☆☆]
安定の有川さん作品です。猫の「ナナ」の独白が楽しい。
プロローグの「僕たちが旅に出る前のこと」、「コースケ」「ヨシミネ」「スギとチカコ」「最後の旅」「ノリコ」、エピローグ「ラストリポート」という構成になっています。
子供の頃から日本各地に引越しを繰り返してきたサトルは、相棒猫ナナを連れて、懐かしい人々を訪ねる旅に出る。
家業を継いだものの妻が家出中の幼馴染、今や立派な農業家となった中学時代の親友、高校・大学の同級生同士で結婚してペンションを営む友人カップル……
行く先々で思い出を語る時間は、サトルとナナを迎える人々の胸の内にもささやかだが大切な変化を芽吹かせてゆく。
そして旅の果てに1人と1匹が見る風景とは。
(出版社HPより)
飼い主と猫のロードノベルです。
かつての知人・友人を訪ねて猫を引き取ってもらう旅を続ける(本当の)理由が、物語の序盤で想像がついてしまって興醒めでした。あまりにベタすぎます。
猫を手放す理由として企業系列のグループ会社がいっせいにリストラとかあり得ないし。
それでも猫の視点で語られるストーリイは面白く、更には訪問先のペットの猫や犬との交流や彼ら独自の視点が語られて楽しく読めました。
けれども、安易な「お涙頂戴」なつくりはどうなんでしょう。
映画化にはもってこいの原作ですね。
http://tabineko-movie.jp/
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