三浦しをんさん「あの家に暮らす四人の女」 [本☆☆]
「ざんねんな女たちの現代版『細雪』」という惹句に納得です。
ここは杉並の古びた洋館。父の行方を知らない刺繍作家の佐知と気ままな母・鶴代、佐知の友人の雪乃(毒舌)と多恵美(ダメ男に甘い)の四人が暮らす。ストーカー男の闖入に謎の老人・山田も馳せ参じ、今日も笑いと珍事に事欠かない牧田家。ゆるやかに流れる日々が、心に巣くった孤独をほぐす同居物語。織田作之助賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
アラフォーの娘・佐知と60代の母・鶴代、佐知の友人で同年代の雪乃と雪乃の会社の同僚で20代の多恵美の同居人、それと門番のような謎の老人の山田が織りなす日常やトラブルを描いた作品かと思いきや、それは中盤まで。
後半は全く別の作品になります。
これを面白がれるか、面喰って止めてしまうかの分かれ目だと思います。
3人称の語り手がまさかの人物だったとは、更にはとある「集合知」が鳥瞰して語るとは読み始めたときは想像もしませんでした。
それでも現代の自然体の女性たちの日々、そして「家」とはなにかをさりげなく提示してくれる作品でした。
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