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永嶋恵美さん「一週間のしごと」 [本☆☆]


一週間のしごと (創元推理文庫)

一週間のしごと (創元推理文庫)

  • 作者: 永嶋 恵美
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: 文庫



初読みの作家さんです。
タイトルからお仕事小説かと思って読み進めていくうちにダークな方向へ…。

幼馴染の菜加には拾い癖があった。犬や猫、果てはアルマジロなど、処理に困るものばかり拾ってくるのだ。いつも後始末は恭平の役目。恭平はいつも「猪突猛進」という言葉を体現したかのような菜加の言動に振り回されてばかりいる。
そんな菜加がまたしても拾ってきたのは――人間の子供。渋谷の雑踏で置き去りにされたのを見て連れてきたのだと言うが、この行為が後に恭平の友人・忍や菜加の弟・克己を巻き込んだ末にあんな結末を迎えるなどとは、このときの恭平には予想すら出来なかった!
(出版社HPより)

青春ミステリ…かなぁ。ミステリっぽさは薄いと思います。むしろ先が見えない二転三転するジェットコースター(ほどでもない)ノベルとでもいいますか。

後先考えない菜加と、優等生で菜加に振り回されっぱなしの恭平、恭平の同級生で謎めいた存在の忍、菜加の弟で姉に逆らえない克己という登場人物が個性的です。
なかでも直情径行な菜加が物語をかき回してくれます。幼馴染でも付き合いたくない相手です(笑)

基本的に真面目な高校生の恭平なので様々な制約がある中で起こった出来事の非日常感と、授業中に机の下や保健室のベッドで携帯を操作して連絡を取り合う姿のギャップが楽しいです。

「高校生から見て抜け穴に見えるのは、大人がわざと開けてある穴だ」というくだりは自分の高校時代を思い返してなるほどなーと思いました。

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