畠中恵さん「つくもがみ貸します」 [本☆☆]
新シリーズです。
「しゃばけ」シリーズに比べるとちょっと物足りないです。
「利休鼠」「裏葉柳」「秘色」「似せ紫」「蘇芳」の5編が収められています。
お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟2人が切り盛りする小さな店「出雲屋」。鍋、釜、布団と何でも貸し出す店ですが、よそにはない奇妙な品も混じっているよう。それらは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。気位高く、いたずら好きでおせっかい、退屈をもてあました噂超大好きの妖たちが、貸し出された先々で拾ってくる騒動ときたら…!ほろりと切なく、ふんわり暖かい、極上畠中ワールド、ここにあり。
(「BOOK」データベースより)
プライドの高い付喪神たちは彼らのルールとして人間とは喋らない。
けれども、謎解きのために人間が付喪神を、逆に付喪神が人間を利用する必要にかられて相手を意識しながら人間同士や付喪神同士が喋って相手に聞かせるという縛りがなかなか面倒くさいです。
また、お紅と清次というまだ若い姉弟が江戸の町で生きていく苦労といったものが伝わってこなくて庶民という身近さを感じませんでした。
お紅の想い人に関係するであろう「蘇芳」と呼ばれる香炉が鍵を握ります。
連作短編の着地のよさは畠中さんならでは。
続編も読んでみたいと思います。
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