柏井寿さん「京都下鴨なぞとき写真帖2 葵祭の車争い」 [本☆☆]
シリーズ第2作目になります。
京都の観光案内とグルメ情報(お店は実在するもの)をちょっとした謎解きに絡めたお気軽に読めるミステリです。
「大路の紅葉」「十日ゑびすの壺」「人形寺の雛人形」「葵祭の車争い」「祇園祭の無言詣」の5編が収められています。
老舗料亭の主人は、じつは人気カメラマンだった!? 『鴨川食堂』で人気の著者による、京都グルメ&名所が満載の連作短編集。
京都の老舗料亭の当主・朱堂旬は、番頭に仕事を任せて遊んでばかり――と周囲には思われているが、じつは人気写真家・金田一ムートンとして、京都の撮影にいそしんでいた。彼のカメラがとらえるのは、葵祭や祇園祭、十日ゑびすや「人形寺」といった、京都名所だけではなく、そこを訪れる人々の秘めた悩み。「松葉」のにしんそばなど、京都グルメでその心を癒しながら、ムートンは彼らの問題を解きほぐしていく。
(出版社HPより)
『鴨川食堂』シリーズに通じる人情ものとでもいえばいいでしょうか。
あちらは謎を持ち込まれる、こちらは謎を解いていくという違いはあります。
前作に引き続き「んなアホな」と思う展開は相変わらずですが、前作に比べると謎の向こうにある人の気持ちや思いといったものが明らかになりカタルシスを覚えました。
一方で主人公である朱堂旬の経歴や、番頭頭の伏原の過去、一切姿を見せない妻など登場人物が細かく描かれていないのは物語を楽しむうえで物足りなさを感じます。
おいおい明らかになるのでしょうか。
コメント 0