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山田正紀さん「大江戸ミッション・インポッシブル 顔役を消せ」 [本☆☆]


大江戸ミッション・インポッシブル 顔役を消せ (講談社文庫)

大江戸ミッション・インポッシブル 顔役を消せ (講談社文庫)

  • 作者: 山田 正紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: 文庫



SF作家として名高い山田正紀さんですが、伝奇時代小説も手掛けています。
映画の『ミッション・インポッシブル』を思い浮かべると、違和感が。

南町奉行所の最底辺、牢屋見廻り同心・川瀬若菜に吉原随一の花魁から相談が舞い込む。英国人の恋人からプレゼントされた大切な指輪が盗まれたという。江戸の闇を二分する泥棒寄合・川衆の棟梁という素顔を持つ若菜は、事件の背後に、天敵陸衆の蠢きを察知する。天保の江戸を舞台に華麗な殺し合いが今始まる!
(出版社HPより)

山田風太郎テイストの伝奇小説かと思ったんですが、読み進むうちによりフィジカル重視なアクションものだと思いました。もちろん、超人的でアクロバティックな術と技を駆使する戦いは伝統的な伝奇小説の色合いを残しています。

石川五右衛門の系譜という川衆の棟梁の川瀬若菜、のみの英二、七化けのおこう、いざよいの丑、カラクリもんもん、殺しのかま。彼らを抹殺しようとする陸衆の強烈な面々。
川衆と陸衆の歴史的背景は説明されましたが、川衆それぞれのユニークでバラバラな技はどうやって身に着けたの(忍者の里みたいな)というバックグラウンドが見えず、キャラクターの奥行のようなものが感じられずに平板な印象が残りました。

大ベテランの衰えない想像力に脱帽です。

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