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若竹七海さん「不穏な眠り」 [本☆☆]


不穏な眠り (文春文庫)

不穏な眠り (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: Kindle版



葉村晶シリーズ第8弾です。40代でも地道にタフに調査し、でも年相応にガタついています。
警備業界でも伝説になったっぽいです。

「水沫隠れの日々」「新春のラビリンス」「逃げだした時刻表」「不穏な眠り」の4編が収められています。

葉村の働く書店で“鉄道ミステリフェア”の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。行方を追ううちに思わぬ展開に(「逃げだした時刻表」)。相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、死んだ女の知人を捜してほしいという依頼を受ける(「不穏な眠り」)。満身創痍のタフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。
(「BOOK」データベースより)

どの作品も葉村晶によって明らかにされる真相から悪意が露わになる結末が怖いです。特に「水沫隠れの日々」のラストは衝撃的です。物語中盤からの不穏さと緊張感の高まりの後の安穏を突き破る結末はあまりにインパクトが強すぎて続く作品に没頭できませんでした。

他の3編もタフで律儀な葉村晶の調査によってキャラのたった登場人物たちの交錯する思惑や張り巡らされた伏線が解き明かされる過程は楽しくて仕方ありません。

短編のせいか、さほど「不運度」は低いような気がします。不謹慎ですが予想された通りの不運に見舞われるというのもなんだかなーという印象がありました。フィクションだからというのはあるんですが、想定を超える不運に見舞われるのはやっぱり面白い。
そんな中で「不穏な眠り」で葉村晶が巻き込まれた災厄を「華麗に」とした表現には笑ってしましました。


<MURDER BEAR BOOKSHOP>の名刺を作る際にに杉田比呂美さんにイラストを描いてもらったというくだりには思わずニヤっとしてしまいました。
その名刺、ほしい。

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