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☆中山七里さん「翼がなくても」 [本☆☆]


翼がなくても (双葉文庫)

翼がなくても (双葉文庫)

  • 作者: 中山 七里
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2019/12/12
  • メディア: 文庫



思った以上にミステリは少なめ、それも早めに真相に見当がついてしまいます…。
主人公の市ノ瀬沙良が障害者スポーツを通して奮闘する物語として読んだほうがいいかもしれません。

「何故、選りにも選って自分が。何故、選りにも選って足を」陸上200m走でオリンピックを狙うアスリート・市ノ瀬沙良を悲劇が襲った。交通事故に巻きこまれ、左足を切断したのだ。加害者である相楽泰輔は幼馴染みであり、沙良は憎悪とやりきれなさでもがき苦しむ。ところが、泰輔は何者かに殺害され、5000万円もの保険金が支払われた。動機を持つ沙良には犯行が不可能であり、捜査にあたる警視庁の犬養刑事は頭を抱える。事件の陰には悪名高い御子柴弁護士の姿がちらつくが―。左足を奪われた女性アスリートはふたたび羽ばたけるのか!?どんでん返しの先に涙のラストが待つ切なさあふれる傑作長編ミステリー。
(「BOOK」データベースより)

片足を失った沙良がパラアスリートとしてパラリンピックを目指す章と、殺人事件の捜査に携わる犬養刑事の章が交互に描かれ、物語が進みます。

犬養隼人シリーズと御子柴礼司シリーズという中山さんの代表的な二人を登場させながらミステリ色が薄いのは残念でなりません。
泰輔に5,000万円の生命保険がかけられていて、母親でなく御子柴弁護士が管理していることが判明したという時点で事件の真相にだいたいの想像がついてしまうのが残念でした。

事故で片足を失った沙良の精神状態が丁寧に描かれていますが、やや類型的に思えました。また、後半は出来過ぎた展開だったような気がします。
それでも無謀ともいえるバイタリティで困難を切り開いていく姿勢が痛快でもありました。

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