柴田よしきさん「お勝手のあん」 [本☆☆]
どうしても『みをつくし料理帖』シリーズを想像してしまいます。同じ出版社だし。
品川宿の老舗宿屋「紅屋」を営む吉次郎は、二年ぶりの長旅から、見知らぬ女童を連れ帰ってきた。吉次郎は、女童・おやすの類まれな嗅覚の才に気づき、「紅屋」のお勝手女中見習いとして引き取ることに──。拾って貰った幸運をかみしめ、ゆるされるなら一生ここにいたいと、懸命に働くおやす。研究熱心な料理人・政一と、厳しくとも優しい女中頭・おしげのもと、年下の奉公人・勘平、「百足屋」のお嬢さま・お小夜とともに日々を過ごすなかで、人間として、女性として、料理人として成長していく。柴田よしき、初の時代小説シリーズ第一弾!
(出版社HPより)
なぜ「おやす」が「あん」なのか疑問に思っていたんですが、あの海外名作のオマージュだったようですね。
そうなると最初に抱いたイメージも変わってきます。
けなげで前向きなおやすが周囲の人の好意を受けながらお勝手女中として成長していきます。
女性が人生を送るうえで制約にがんじがらめになっていた時代に、おやすがどのような人生を送っていくのか、行く末が気になります。
初めの印象を見事に覆されたのは、さすが柴田さん、というところです。
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