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伊東潤さん「城をひとつ 戦国北条奇略伝」 [本☆☆]


城をひとつ 戦国北条奇略伝 (新潮文庫)

城をひとつ 戦国北条奇略伝 (新潮文庫)

  • 作者: 伊東 潤
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/04/25
  • メディア: 文庫



「奇略伝」かなぁ。

「城をひとつ」「当代無双」「落葉一掃」「一期の名折れ」「幻の軍師」「黄金の城」の6編が収められています。

「城をひとつ、お取りすればよろしいか」、小田原城に現れた男は不敵にそう言い放った。商人に扮して敵地に入り込み、陣中を疑心暗鬼に陥らせ、一気に城を奪い取る――家伝の調略術で関東の覇者・北条氏を支え続けた影の軍師・大藤一族の五代にわたる闘いと北条の命運を決する小田原合戦までを描く圧巻のインテリジェンス合戦記!
(出版社HPより)

『孟徳新書』という曹操が書いたとされる兵法書の中にある秘伝『入込』を用いて敵方に侵入し、後北条軍を勝利に導く使命を帯びた大藤家5代の物語です。

城攻めに際して敵地に侵入し、策略を凝らして味方を勝利に導くという、正体がバレたら生きては帰れない職務を遂行します。
北条家の忍びというと風魔一族が知られていますが、破壊工作や陽動作戦とは少し違います。
相手に取り入って、弱点や単純さ・純粋さを逆手に取って内部崩壊を引き起こします。

「城をひとつ」から「幻の軍師」までは、まさに大藤一族の面目躍如です。
しかし、最終編の「黄金の城」だけは違っていました。秀吉の小田原征伐に完全に受け身に回った北条家に大藤一族ができることはなにもなかったといってもいいかもしれません。
史実を超えることのできない歴史小説の縛りかもしれません。

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