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伊坂幸太郎さん「ラッシュライフ」 [本☆☆☆]

ラッシュライフ

ラッシュライフ

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 文庫

パワーも、スピード感も、ウィットにも富んで、結末もいい。ぐいぐい引き込まれました。

プロフェッショナルを自認する空き巣専門の泥棒、カリスマを崇める青年、不倫相手の妻を殺そうと
企む女性カウンセラー、妻子に見捨てられた無職の男、それぞれ物語が交互に展開します。
彼ら以外の登場人物も絡み合い、初めはばらばらだった物語が少しずつ繋がっていき、パズルの
ピースが嵌まるように収斂していくのは、読んでいて快感ですらありました。「そう来たか」と
作者の仕掛けが読む側の想像を超えたときの楽しさを満喫しました。

失意や怒りや憧憬や高揚や茫洋や高慢など、それぞれの登場人物が抱える感情がストーリイ
展開に合わせて乱高下するのも(わかりやすいという難点でもありますが)楽しく読めました。

ラストで無職の男が見出す「ラッシュライフ」の持つ意味がタイトルとぴたっとくるよりも、個人的には
「ラッシュ」という日本語の発音に対応する英語(lash,lush,rash,rush)による様々な「ラッシュライフ」
がそれぞれの物語を表現しているように思えて、この作品でもタイトルに込められた深さを感じ
ました。

他作品のキャラクターがカメオ出演(?)しているのも楽しさのひとつですね。


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コメント 2

わむ。

はじめまして。たくさん本読んでるんですね。
よく読んでいるブログの中で伊坂幸太郎さんのこの「ラッシュライフ」や
「アヒルと鴨の~」がおもしろかったって書いてあり読んでみようと
思っていたとこだったんです。
普段全然読まないからどれを選んでいいか分からないんですよね^^;
なのでおもしろいと聞いたものから始めていきたいと思います☆
by わむ。 (2007-02-07 17:38) 

とも〜る

わむ。さん こんにちは。
>たくさん本読んでるんですね。
活字中毒なもんで。。。^^;
なにが面白いかは読む人によって違うと思うので「これだ!」というのは
難しいんですが、個人的にはミステリなら東野圭吾さん、加納朋子さん
は外れがないと思います。物語を楽しむなら伊坂幸太郎さんですかね。
他には恩田陸さんも当り外れがありますが好きです。
amazonのレビューも参考になりますよ。
by とも〜る (2007-02-08 02:18) 

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