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細川貂々さん「その後のツレがうつになりまして。」 [本☆☆☆]


その後のツレがうつになりまして。

その後のツレがうつになりまして。

  • 作者: 細川 貂々
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 単行本



細川さんのツレ(旦那さん)の3年に及ぶうつ闘病記(?)のその後-発症から1年半後-です。
ピークは過ぎたものの、まだ回復途上で、ときどき波に襲われるツレさん。前作でお互いどうしていいのかわからずにバタバタ、おたおたしていた時に比べると、ペースをつかみはじめた頃の話です。

周りにも幾人かそういう人たちがいて、休職・復職を繰り返している人もいます。
ただ、周囲の人間はどう接していいのかわからないでいるようです。もっとも身近な家族の方も同様なのかと思います。
この本は、うつ病の人にどう接するのがいいのかを細川さんが気づいた点で非常に参考になると思います。また、ツレさんがその時々でどういう気持ちでいたか、どう病気と向き合っていけばいいのかという面も描かれています。お互いの立場から描かれていてより理解できるのではないかと思います。
なによりもお互いを思いやる気持ちがあふれてきているように思えて、じんわりと心が温かくなりました。

ただ、ツレさんが退職して「ハイパー専業主夫」として回復していくというのは、相手が細々ながらも漫画家として収入を得ているという経済的な点で一般的ではないので、そこは差し引いて考えなくてはならないかもしれませんね。その辺りも描かれてはいるものの、もう少しはっきりと読者(特に闘病中の方)に対して誤解を生じさせたり焦らせたりさせないような配慮が必要だったかもしれません。

また、本質的な問題として、自殺者を含めてこれだけの鬱の人がいる(これまでは社会的な認知度が低かったということを差し引いても)という事実に対して本気で原因や対策を考える必要があるのではないかと思いました。新聞をはじめとするメディアで取り上げられるようになりましたが、深く切り込んでいるかというと、必ずしもそうは思えないのが現状です。
「社会のひずみ」といってしまえば簡単かもしれませんが、ではどうしたらいいのか。

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