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上田秀人さん「日輪にあらず 軍師黒田官兵衛」 [本☆☆☆]


日輪にあらず 軍師黒田官兵衛 (徳間文庫)

日輪にあらず 軍師黒田官兵衛 (徳間文庫)

  • 作者: 上田 秀人
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: 文庫



たまたまなんですが、黒田官兵衛を主人公とした歴史ものを続けて読みました。
安部龍太郎さんの『風の如く水の如く』に対して、こちらは黒田官兵衛が豊臣(当時は羽柴)秀吉と出会ってから没するまでの王道ともいえるストーリイです。

いずれ劣らぬ勇将が覇を競う戦国の世。播磨で名を馳せし小寺家に仕える黒田官兵衛は当主政職の蒙昧に失望し、見切りをつける。織田家屈指の知恵者・羽柴秀吉に取り入り、天下統一の宿願を信長に託した。だが本能寺の変が勃発。茫然自失の秀吉に官兵衛は囁きかける。ご運の開け給うときでござる―。秀吉を覇に導き、秀吉から最も怖れられた智将。その野心と悲哀を描く迫真の戦国絵巻。

タイトルが秀逸です。
最初は天下を狙いながらも手が届かなかった官兵衛が自分自身のことを指しているのかな、と思っていたのですが、違いました。
日輪とは誰を指すのか、答えはラストに明かされますが、秀吉の軍師として仕えた官兵衛の理想と希望、それに対する人間の卑小さと失望といったものが描かれます。

信長、秀吉、家康という英傑を、官兵衛の視点から描いた物語とも読めますし、それぞれの評価面でもあります。また、天下を総べる者としてのありようを描いた物語でもあります。

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