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恩田陸さん「私と踊って」 [本☆☆☆]


私と踊って (新潮文庫)

私と踊って (新潮文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/04/30
  • メディア: 文庫



実験的というか、「さわりの部分だけ」とでもいうべきか、恩田さんらしい掌編が集められています。
ミステリ、SF、ホラー、ファンタジー、ショートショートなんでもありで楽しめます。

「心変わり」「骰子の七の目」「忠告」「弁明」「少女界曼荼羅」「協力」「思い違い」「台北小夜曲」「理由」「火星の運河」「死者の季節」「劇場を出て」「二人でお茶を」「聖なる氾濫」「海の泡より生まれて」「茜さす」「私と踊って」「東京の日記」「交信」の19編が収められています。

ダンサーの幸福は、踊れること。ダンサーの不幸は、いつか踊れなくなること――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフに、舞台を見る者と見られる者の抜き差しならない関係をロマンティックに描いた表題作をはじめ、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、物語に愛された作家の脳内を映しだす全十九編の万華鏡。
(出版社HPより)

言い方は悪いんですが、発想力やインスピレーションは凄くて出だしや展開はワクワクするんですが結末がちょっと…という長編が多いので、むしろ短編のほうが余韻を楽しめるというか。。。

「忠告」⇔「協力」の対になった作品はほのぼのします。
「台北小夜曲」「火星の運河」は台湾を舞台にしたファンタジー作品。(恩田さんって飛行機恐怖症だったと思うんですが、克服したんでしょうか?)
「少女界曼荼羅」は夢の中のような眩暈がしそうな世界がただただ面白いです。
表題作の「私と踊って」は恩田さんらしい回想と現実が交錯した物語です。
「東京の日記」は横書き左開き(奥付のほうから読み始める)もので、近未来の東京を描いた、作家の想像力と表現力に恐怖を感じます。
「交信」は衛星はやぶさにちなんだ作品です。機械を擬人化するのって日本人独特なんだそうですが、まさに日本人の感傷どストライクに入りそうです。

恩田さんの世界観を堪能しました。

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