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吉永南央さん「花ひいらぎの街角」 [本☆☆]


花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)

花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)

  • 作者: 吉永 南央
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: 文庫



シリーズ第6弾です。今回はお草さんの若かりし頃にフォーカスが当てられます。

「花野」「インクのにおい」「染まった指先」「青い真珠」「花ひいらぎの街角」の5編が収められています。

北関東の小さな町で、珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」を営むおばあさん、お草さん。 彼女の周囲にあたたかく描かれる人間の営み、日常にふと顔をのぞかせる闇が読む者を引き込む大人気シリーズ第6弾。
秋のある日、草のもとに旧友の初之輔から小包が届く。中身は彼の書いた短い小説に、絵を添えたものだった。
これをきっかけに初之輔と再会した草は、彼のために短編を活版印刷による小本に仕立て贈ることにした。そんな中、本作りを頼んだ印刷会社が個人データ流出事件に巻き込まれ、行き詰まる印刷会社を助けることに。その過程で、お草は印刷会社周辺の人々の過去に触れ、ある女性の死にまつわる〝不可解〟を解きほぐすことに……。
「一つほぐれると、また一つほぐれてゆくものよ」―-逃した機会、すれ違い、あきらめた思い――長い人生、うまくいくほうがまれだったけど、丁寧に暮らすのが大切。
お草さんの想いと行動が心に染みる珠玉の一冊。
(出版社HPより)

旧友の初之輔からの連絡で若き日に初之輔が手掛けた小説『香良須川』を旧友のバクサンこと寺田博三とともに自費出版する過程で印刷会社による個人データ流出事件を知ることになります。

事件の真相と並行して、青春時代のお草さんやバクサンたちの回顧や小蔵屋の従業員の久美を巡る恋模様も描かれていきます。
シリーズ初めから読んでいる身としては、久美には幸せになってほしいなー、と親戚の気持ちになります。

「一つほぐれると、また一つほぐれてゆくものよ」というお草さんの台詞が深いです。深く年輪を重ねた人にしか発せられない言葉だと思います。


萬來印刷の活版印刷で作ったカード、ほしいです。白地にコーヒーの花に大小の四角が4つ。

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