本多孝好さん「dele2」 [本☆☆☆]
「dele」シリーズ第2弾にして、完結編(なのかな?)です。
真柴祐太郎の過去と坂上圭司の過去が交差します。
「アンチェインド・メロディ」「ファントム・ガールズ」「チェイシング・シャドウズ」の3編が収められています。
消えゆく記憶。削除(=dele)された真実。
驚愕と感涙のミステリ、待望の第2弾。
『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』は、依頼人が死んだときに動き出す。故人より託された秘密のデータを削除するのが、この会社の仕事だ。
所長の圭司の指示を受けて依頼人の死亡確認をする祐太郎は、この世と繋がる一筋の縁を切るような仕事に、いまだ割り切れないものを感じていた。
そんなある日、祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の元教授・室田から依頼が舞い込む。
難病を患い、新薬の治験中に死亡した鈴。その真相に二人は近づくが……。
(出版社HPより)
構成の妙は本多さんならでは、と思いました。
前作は圭司と祐太郎の関係性やキャラクターが描かれましたが、本作では更に踏み込んで思いもよらなかった彼らの錯綜する過去が明らかになります。
そこに横軸としてデータ削除の依頼が絡んで「死」と残された人の「想い」に思いを馳せずにはいられません。
必然としての彼らの関係性の終わりは名残惜しいものがあります。
ドラマも見ておけばよかった。
2020-09-07 08:16
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