畠中恵さん「さくら聖・咲く」 [本☆☆]
現代小説なんですが、畠中節だとどうしても時代がかってしまうように思います。
序章「プレエントリー」と、「ナイショナイショ」「羊羹こわい」「聖、シューカツ中」「神、降臨」「電信柱は友か」「さくら咲く」の6編が収められています。
弟を養うためサラリーマンになる! そう決意した大学三年の佐倉聖。元政治家、大堂の下で事務員をしているが、コネ採用はお断りだ。事務所がらみの難問は鮮やかに解決する聖も、就職活動では悪戦苦闘。面接先の広告代理店では事件に遭遇、商社ではインターンシップを突然クビに。奮闘する聖の元に、身に覚えのない五通の内定通知が届く――。爽快感あふれる青春ユーモア・ミステリー。
(出版社HPより)
就職活動に邁進する佐倉聖ですが、元大物政治家の大堂の事務所員という肩書が企業側の思惑を呼んでしまい、一癖も二癖もある大堂や関係する議員たちを巻き込んだドタバタ劇が繰り広げられます。
元ヤンキーの聖はやられたらやり返すだけでなく、観察力や洞察力を駆使して難題を解決していきます。毎回目のつけどころに感心してしまいます。
結末が思ったよりも軟着陸だったのが残念ですが、楽しめた作品でした。
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