大倉崇裕さん「樹海警察」 [本☆☆]
逆境に置かれた警察官たちが樹海で発生した殺人事件を解決していく連作短編集です。
「栗柄慶太の暴走」「桃園春奈の焦躁」「明日野裕一郎の執念」の3編が収められています。
初任幹部科教育を終え、警部補になった柿崎努は、山梨県警上吉田署という辺鄙な場所、しかも聞いたこともない部署へ配属となった。署長に挨拶も行かず署員からおもむろに渡されたのは、カーキグリーンの軍用ベストやズボン、そして登山靴──。さらに連れて行かれた場所はなんと樹海……!? 栗柄巡査、桃園巡査、そして事務方の明日野巡査長と共に、樹海で見つかった遺体専門の部署・地域課特別室に勤務することに……! 腐乱死体から事件の匂いをかぎ取る!! 書き下ろし樹海警察小説登場。
(出版社HPより)
柿崎努のキャラが被りますね。
『問題物件』の犬頭光太郎とか。
四角四面な柿崎の言動に、それほどおかしみは感じないんですが。
主要キャストの柿崎、栗柄、桃園、明日野(あけびの)他にも制服巡査の万剛、市子野(いちごの)、水家(すいか)、梨本、尾和元(びわもと)とフルーツバスケット状態(笑)
上司を上司と思わない部下たちのやりたい放題に翻弄される柿崎ですが、やがて彼らの人となりや背景を知るにつれて受けて入れていきます。
樹海で見つかった遺体を自殺と処理したい刑事と、事件性を見つけて犯人逮捕にいたる地域課特別室の面々。ミステリとしては薄めに思います。かといって警察小説ともいえない気がします。
テンポもよく、読みやすいです。
シリーズ化されるかな。