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畠中恵さん「うずら大名」 [本☆☆]


うずら大名 (集英社文庫)

うずら大名 (集英社文庫)

  • 作者: 畠中 恵
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/12/14
  • メディア: 文庫



「うずら大名」というインパクトのあるタイトルでしたが、軽い作風に反してなかなか重いテーマでした。

「うずら大名」「御吉兆聞こえず」「大根一万本」「書き付けの数字」「佐久夜の初泳ぎ」「江戸の合戦」の連作6編が収められています。

若き日に同じ道場に通った貧乏武家の部屋住み・有月と百姓の三男・吉也。金もなく、家にも町にも居場所がなく、この先どうやって生きていけばいいのかと悩む日々を共に過ごしてきた。
時は流れ、吉也は東豊島村の村名主となり吉之助と改名。ある日、大名家へ向かう途中に辻斬りに襲われるが、「御吉兆ーっ」という鳴き声とともに飛び込んできた白い鶉とその飼い主であるお武家によって命を救われる。
お武家の正体は、十数年ぶりに再会した有月だった。涼やかな面で切れ者、剣の腕も確かな有月は大名を自称するが、どう見ても怪しく謎めいている。そんな有月と勇猛果敢な鶉の佐久夜に振り回されながら、吉之助は江戸近隣で相次ぐ豪農不審死事件に巻きこまれていく。一つ一つの事件を解決するうちに、その背景に蠢く、幕府を揺るがす恐ろしい陰謀が明らかになり――。
(出版社HPより)

現代以上に格差の大きい江戸時代を舞台にしていますが、境遇の違いに羨望の念を抱くってのは現代風だなあ、と思いました。

謎解きという印象はありませんでしたが、一つの事件を解決すると、次の問題が見えてきて、最終的に全体の構図が見えるというなかなか面白い構成になっていました。

一番は鶉の佐久夜の賢さでしょう。巾着鶉、見てみたいです。

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